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北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記

北海道(特に道東)の美味しいや楽しいを日本酒を通じて紹介します。

それは努力したかいがあるという事。

気がつけば酒蔵解放まで三日となりました。
まだ三日ある・・・そう思っていたのですが
今年は前日ドライブスルーでの
限定酒の「たれ口酒」の受け渡しとなっていました。


という事は明日までに日曜の準備を終わらせなければならないという事・・・・
そうだった~!!!!と慌てております(笑)
とはいえ、製造部のメンバーは着々と準備してくれているので大丈夫でしょう。
私の問題と言えば火入れまでのスケジュールをどう組むかの方が心配事。
ただ・・・どちらにしても酒蔵解放日が終わらない事には
搾ったお酒の移動や調合が出来ないので
ちょっとした一休憩と思うこととします。

ゴールデンウイークという大型連休を挟むのが悩みの種・・・・
最後の醪の搾りがゴールデンウイークの間位になりそうなので
ゴールデンウィーク明けから火入れになりそうです。


さて、冒頭で少し触れた「たれ口酒」という限定酒のお話。
このお酒は蔵解放日同様に、普段地元地域で弊社のお酒をご愛飲いただいている
地域の皆様に、今シーズンも無事に仕込みが終えたことをご報告し
感謝の気持ちを込めてその日限定のお酒をご用意しよう!という物です。

弊社としては数に限りがあるのですが
出来る限り多くの人に飲んでいただきたいと思いで、お出しするため
あまりに大量に買われるお客様が多かったり
予想以上の来場者の場合は数量制限をかける場合があります。


「たれ口」というのが、漢字で書くと「垂れ口」と書きます。
お酒を搾る機械からお酒が垂れてくる、その口の部分から
そのまま瓶詰めしました。という意味の商品名です。
※その口から出てきたお酒を受ける容器を垂れ壺と言います。

福司としては珍しい無濾過生で仕上げた商品になります。
似たようなものとしては「しぼりたて生酒」がありますが
原材料や造り方は違い、もっと小仕込みのお酒です。
今年の特徴としては、たんぱく質が多い年となったため
やや味わいのある酒質となっております。


使用している米は北海道の酒造好適米「吟風」になります。
福司の多くのお酒にこの原材料を使用しています。

同一産地、同一品種を使用しているのですが
今年は特に入荷ロットによる質のバラツキに苦労しました。
以前からこのバラツキを減らすために
入荷日を細かく分けるのではなく
1度の入荷量を多めにとることで
ロットの違いを少なくし調整回数を減らすようにしています。

同ロットでは傾向が同じなのですが
入荷ロットが変わると同じ吸水でも米の溶け方や
麹の出来が変化します。
もちろん洗米や吸水もその度に調整し直しです。

これをどうにか事前にわからないものかと
成分の分析値の比較から傾向をみようとしたのですが
現状の分析内容からではその差を見つけることができませんでした。


何が違うのか?というともっと細かな成分なのだと思います
例えば麹が作る酵素で溶けやすい成分が多いかどうか?や
熱によってα化したものがβ化する速度
繊維や成分の連鎖のでき方の違い。
こういった目には見えない微妙な差を実際使っていると感じます。
それは温度の上り方や、麹菌の菌糸の回る速度
分析値や触った感触等から予測というか推察されるもので
数値やエビデンスがあるものではないのです。


そんな中、今年一番多く麹担当と話していたのが
「原料以上の酒は出来ない」という事。
原料が悪ければどんなに試行錯誤し策を練っても
米にある成分からしかお酒は出来ないという事。
決して米が悪いからいいお酒が出来ないという意味ではなく
引き出そうとしても引き出せるものが限られてしまうという事です。

成熟していない青いトマトでトマトソースを造っても
完熟したトマトでつくったトマトソースと同じものは出来ません。
つくるとしたら別の何かを補足するしかない。
言いたいのは米の持つポテンシャルは無限ではないという事を知ったという事。
なるほど山田錦が酒米の王様という意味が良くわかるという事でもあります。

ただ、私たちは酒造りのプロなので
その中でもいい酒を造る技術を磨きます。
五色彩雲にしても、福司にしても
オール道産米でつくっています。
私たちの苦労がお酒から感じられなければ
それは努力したかいがあるという事。

今年もまた沢山の学びを得た年になりました。

もしかすると明日はブログ更新できないかもしれませんので
当日蔵に来る方はお気をつけてきてください。
お酒の製造工場の方にいるメンバーは
皆製造部の人間です。
皆さんの感想など一声かけていただければ
来年の造る気力へとつながるはずです。


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