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北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記

北海道(特に道東)の美味しいや楽しいを日本酒を通じて紹介します。

醪管理と分析値

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連チャンの泊り明け
当たり前のように毎日と同じ作業から始まります。


朝一番の仕事は櫂入れと呼ばれる作業。
「酒造りをしている」というと多くの人が想像する
お酒を混ぜている作業のことを「櫂入れ(かいいれ)」と言います。
櫂棒(かいぼう)と呼ばれる棒状のもので
醪を撹拌します。



とはいっても、仕込み終わり翌日はまだお米が仕込み水を吸ったばかりで
ただお米が膨れ上がった状態。
液体とは言い難い状貌で『見た目はふやけたご飯』

この状況の醪を棒で突っついたところで混ざるわけもありません(笑)
なのでこの時期は棒を刺してたまった炭酸ガスを抜いてあげます。
これにより下に溜まった水分と蒸米が触れ合い
米の溶解を促せるのです。


そもそも米がなぜ解けるのかというと
これが麹の仕事だからです。
酵母が米を食べてアルコールをつくるように思っている方がいますが
実際は酵母が食べるのは麹は提供してくれた糖分です。


麹が蒸米を酵母が食べやすいように分解し
これを酵母が食べるのです。
なので、麹なしではアルコール発酵はしません。


なので私たち造り手は
仕込みの温度や蒸米の吸水によるコントロールはもちろんですが
麹も造り方を工夫することで酵母のコントロールを行うのです。


例えば酵母に元気よく育って欲しいときは
たくさん働いてくれる(酵母に餌を与えてくれる)麹に作ります。
逆に吟醸酒の様にゆっくり発酵させたいときには
仕事はきっちりしてもらうけどあまり酵母に餌を与えすぎない麹をつくります。


目的によって麹を作り分ける技術必要です。


そしてそれらの各分野がきちんと働いてくれているのかをチェックするのが
分析値になり、この分析を行うための試料を採取するのが
朝の櫂入れの後のサンプルとりです。

サンプルは撹拌した醪より少量掬い取り
ロートを使用してろ液を取り分析します。
上の写真はそのろ液から酸度を測定するときの様子です。

酸度自体は醪の異常を知らせてもらう為に分析します。
その他日本酒度と呼ばれる糖度
アルコール濃度です
大きくはこれらを分析し醪の管理が適切かどうかを判断します。

大きな蔵や、分析機器がそろっているところではこれから更に
グルコース濃度やピルビン酸の測定など細かな分析をする蔵もありますが
福司ではしておりません。




さて、話は変わりますが
本日懐かしいお客様が来蔵されました。
醸し屋の大学時代、同じ研究室にいた同級生が
家族で釧路に来たので寄ってくれたのです。

なんとも懐かしい(笑)

卒業後は同業者としかあまり接点がありませんでしたが
同じ研究室のメンバーが訪ねて来てくれるのはうれしいですね。


最近は仕込みのことばかりだったので、いい気分転換になったなぁ


【蔵人募集のお知らせ】

福司では日本酒の製造を共にしてくれる方を随時募集しております。
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■資   格   短大・高専卒業以上を希望(理系の方希望)
■仕事内容   清酒製造・その他
* 書類選考あり
* 委細面談の上

085-0831
北海道釧路市住吉2-13-23
福司酒造株式会社




最後まで読んでいただきありがとうございます!

今日は蔵の仕事のことというか
お酒造りについてでした。

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