北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記

北海道(特に道東)の美味しいや楽しいを日本酒を通じて紹介します。

試験醸造までの流れ③

リンゴ酸とクエン酸、どちらにしよう?


日本酒にリンゴ酸が多く含まれる場合と
クエン酸が多く含まれる場合、どちらが
イメージにより近いのか?
そしてそれを得るためにはどんな手法があるのか?


まずやったことは、データ集めです
様々な文献を読んでみて2つの手法があることがわかりました。
1つは酵母によるリンゴ酸の生成。
もう一つが麹菌を使用したクエン酸の生成方法。


実際市場にはもうどちらの手法も行っている蔵はあるものの
レギュラーの日本酒つくりとは異なり
どちらも詳しく研究されているデータは見つかりませんでした。

ただ、蔵としては様々な酵母を使用しているため
リスクの少ない酵母によるリンゴ酸生成の検討から始まったのです。
しかし、いきなり酵母を購入し仕込むにも
どんな味になるかわからないわけですから、
まずは市場調査を行うことに。


様々なお蔵さんの造る、酸の高いお酒を探しては購入。
蔵のみんなと唎酒をして、どのやり方が一番イメージに近いのか?
唎酒を何度も行いました。
もちろん1つや2つでは、その蔵の特徴かもしれませんので
かなりの数のサンプルを利き酒した結果、
イメージに近かったものはクエン酸を用意た酒質だったのです。


クエン酸を日本酒中に生成する方法の1つが
焼酎を製造する際に使用する「白麹」というものです。
白麹は泡盛の黒麹の変異株。
もともとクエン酸を多く作る性質があります。
また、泡盛の仕込み方は、すべて麹で仕込む
全麹仕込みという製法です。


泡盛はご存知の通り、沖縄のお酒で
年中気温が高く醪も腐敗の危険性がありますが
この、黒麹が生成するクエン酸の酸味によって
醪の腐敗を防いでいるのです。
(日本酒ではその役割は乳酸が行っています。)



麹を変えればクエン酸のお酒ができる!
それなら簡単じゃん!って思う方もいるかもしれませんが
酒蔵では、他種の菌を使用するのはご法度。
菌汚染につながることも考えられるのです。


しかも日本酒つくりで麹つくりは要。
ここが汚染され失敗しては元も子もないのです。


しかし、クエン酸にはすっきりとしたタイプの酸の生成以外に
とても魅力的な部分があります。
それはクエン酸による抗菌作用。

日本酒は酵母が安全に発酵を行うために
酵母以外の菌の活動を制限するために
乳酸を使用します。

生酛は天然の乳酸菌が生成するのに対し
速醸酛は生成された乳酸を添加し管理します。
福司ではすべて速醸酛です。

今、何も添加しない昔ながらの生酛が注目されている中
白麹を使用しクエン酸の力を使うことで
生酛系とはまた別の、ハイブリットな無添加のお酒の製造が可能になるのです!!!


まだ経験が浅い若手ばかりの蔵としては
本当の意味での米だけのお酒を造る製法として
非常に魅力的でした。



ただし、白麹自体も作ったことも扱ったこともない
ましてやその麹でお酒なんか醸した事が無い・・・・・
ちゃんと発酵するのか!?
文献を探しても焼酎の文献はあるけど
日本酒への応用はほとんどない。


ほぼゼロベースの中から文献を調べ
今実際に白麹を使用しているお蔵さんに話を聞くなどしながら
造ったのは今回の試験醸造の純米酒です。


クエン酸による爽やかな酸は
ワイングラスで飲んでいただきたい味に仕上がりました。
もちろん苦労も沢山で
通常の仕込みはもちろん
出品酒の麹を造りながら泊まり込みで勉強しました。



続く




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■資   格   短大・高専卒業以上を希望(理系の方希望)
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* 書類選考あり
* 委細面談の上

085-0831
北海道釧路市住吉2-13-23
福司酒造株式会社

最後まで読んでいただきありがとうございます!

本当にデータ不足で踏み切るのに苦労しました・・・・
でもやってよかった!

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