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北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記

北海道(特に道東)の美味しいや楽しいを日本酒を通じて紹介します。

日本の麹は独自の進化をとげたガラパゴス麹!?


お元気様です!!
今日は少し晴れ間も見えたので外仕事をチラッとしていた醸し屋です。
晴れている日は外の仕事が最高ですよ!



さて、いろいろ調べ物をしていると
日本酒ってすごいなって改めて感じることができます。
その1つがやはり麹を使うことです。



KOUJIって麹という時を書きます。
麦に匊(すくう)と書いて“コウジ”といい
醸造工程の本や説明にも麹という字が使われています。

なぜ麦かというと、日本酒で使う麹は米ですが
味噌などでは麦麹を使用して製造します。
麹はもともとは中国から入ってきた文化で
中国で使われる麹の主原料は、麦や高粱です。
なので麹には麦の字が入るのでしょう。



実は“こうじ”はもう1つ漢字があるのはご存知ですか?
一般の方にはほとんど馴染みがないとは思うのですが
僕はこちらの漢字の方が好きなんです。

実は米に花と書いて“ 糀 ”で“こうじ”と読みます。
これは和製漢字だそうで、日本独自の漢字です。
漢字といえば中国より伝来した文字ですが
あえて日本製に作られた文字。『糀』


これは日本の麹の文化を象徴するような素敵な漢字だと思います。
麹菌は米の上に種付けされると発芽し、菌糸を伸ばして米から水分を吸収します。
そして徐々に成長し、花のような形から胞子という種子を飛ばすのです。
その習性がなんとなく花に似ていませんか?

根をはり、花を咲かせて種を飛ばす・・・

まさに米に咲く花・・・・だから『糀』と書くのではないでしょうか?




その麹ですが実物はごらんになったことがありますか?
日本酒で使う麹は市販されている麹と少し違います。

2011-11-08 22.13.36

これが日本酒つくりで使う麹です。
米と米がパラパラと離れているのがわかると思います。


市販のだとここまで分かれていませんよね?
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市販のはこんな感じに固まっています。
最近では塩麹がはやっているのでスーパーなどで購入した方も多いのでは?
僕たちから見たあの麹はすごく楽した麹です(笑)
手間がかかっていないというか、量産されているというか・・・・


あんなふうにガチガチにブロックみたいに固まった麹は日本酒では使いません。
といっても原料がおそらくほぼ玄米のような状態ですから
麹にとっても栄養源たっぷりでたくさん繁殖してしまうでしょ。


酒造用の麹はあそこまで行ったら進みすぎになってしまいます。
菌がたくさん繁殖していればいいというわけでもなく
発酵の際にスムーズに発酵が進むような、
酵母の生育とバランスの取れた麹の酵素が必要なのです。


ただ菌がたくさん繁殖して酵素が欲しいだけなら
今の時代ですと酵素を添加して日本酒作ればよくなってしまいます。
でも、そんな日本酒は味気なくて美味しくなさそうですが・・・

麹のいいところは
程よく酵母の生育にあわせた速度で米が溶けていくのがいいのです。
酵母のコントロールは温度調整もそうですが
麹の出来でもかなり違うのが日本酒なんです。



ところで、皆さん。
麹というと、この麹を思い浮かべると思うのですが
世界の麹の中で日本の麹は特殊だってご存知でしたか?


この麹は麹として当たり前ではなく
麹としてはとても珍しい部類だってことです。
日本でしかこういう麹を使っていないんですよ。
世界の麹は形というか製法も異なるんです。


日本って携帯だけではなく
さまざまなものが独特に進化していますよね!!!
麹もそうなんです(笑)



これしか知らないと当たり前だと思うんですが
実はすごい手が込んだ麹なんですよ、日本のは!
この麹のおかげで日本酒が安全に醸造されているんですから!
日本酒もすごいんですが、麹の文化もすごいんです。






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