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北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記

北海道(特に道東)の美味しいや楽しいを日本酒を通じて紹介します。

お酒のモロミを風邪をひく!?



2011-01-26 09.41.03

今日は山田錦の吟醸酒の留仕込みでした。
吟醸酒の留仕込みは、毎年凄く時間をかけて仕込みます。
仕込みに使うお米の数量は他の仕込みよりも大分少ないのに
時間は倍以上。

吟醸酒の仕込みは通常の仕込みと異なります

通常のお酒(吟醸酒以外)は、その酒質にもよりますが
品温が15℃前後で発酵させるのに対し
吟醸酒は11~12℃です。


温度が低いことにより、酵母の活動は鈍くなり
発酵日数も10日ほど伸びます。
これにより、米から出来たとは思えないほどのフルティーな香りと
綺麗な味わいに仕上がるのです。


しかし、11℃で発酵させるということは
実はとても難しいことなんです。

吟醸酒を発酵させる温度帯というのは
酵母がお酒を作る為に活動するギリギリの温度帯です。
もし、これ以上温度が下がってしまえば
活動を停止し、発酵が止まってしまう恐れがあります。
これを“冷え込み”といいます。

現場では“醪が風邪を引く”という言い方をすることもあるんです。


逆に、温度が上がってしまうこともあります。
酵母も生き物なので、熱を発散します。
そうなると必然的にモロミの温度も上昇し
その温度でさらに酵母が元気になります。

こうなると冷やす以外に温度を下げる方法はありません。
こうならないためにも、ギリギリの吸水歩合でお米をふかしたり
すぐに解けてしまわないような蒸米に仕上げたり
発酵期間が長くなるので、最後まで持つような麹に仕上げたりと
巧みなお酒造りの設計図を作ることで
美味しい吟醸酒が出来上がるのです。


普通の仕込み用の麹や蒸米で吟醸酒のような温度帯で仕込むのは困難です。
サーマルタンクという、温度管理が出来るタンクを使用すると
それも安易に可能かもしれません。


しかし、福司では温度管理は全て外気温と室温のみで行い
温度制御用の冷水機を使用した吟醸仕込みは一切していません。
これは、酵母にも悟られない巧みな温度管理を目指しているからです。


今日で今年の山田錦の仕込みは終了しましたが
また新たに、本日より彗星を使用した添仕込み用の麹が入ってきました。
上の写真は彗星の浸漬の時の写真です。
山田錦と比較すると粒も小さめで丸みをおびてました。

このお米が、あのフルティーなお酒に変わるんです!
なんか不思議ですよね(*≧m≦*)






無題
▲新米新酒第二弾!無濾過の“しぼりたて生酒”




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