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北海道 釧路の地酒 『福司』 若僧蔵人の醸し屋日記

北海道(特に道東)の美味しいや楽しいを日本酒を通じて紹介します。

地理的要因!?

今仕込んでいる醪の中に同じように仕込んでも
なんだか違うなっていう物があります。
これだ!という原因が見当たらなく
強いて言えば原料の入荷した日にちが違う米を使っているというくらい。
もちろん原料米の種類は同じ種類で同じ精米歩合。
なんなら産地も一緒!!!!


ただしいて言えば・・・・原料米の分析値が異なるのです。


一緒の産地、一緒の品種なのに、分析値が違う
微々たる差と言えばそうなのかもしれないのですが
原料の良しあしはそういった成分で決まってくる。

ただ必ずしもそれが要因だとも言い切れませんが
ここまで納品される米の数値がばらついては行ってくる年は珍しいなという印象。
数値的に「良い」年ではないことは確かで
数字だけでいえば過去最高値をたたき出しております。
高くないほうが良い数値です・・・・


農家さんが悪いとかそういう話ではありません
天候や造っている土地の環境などが影響しているはずです。
むしろその差が大きく出たんだろうなと感じます。
入荷のロットごとの差を大きく感じ勉強になった年でもあります。

何か事前に分析値などから分からないだろうかとか
傾向を追っているのですが、まだつかめていません。
分かっているのはロットごとの癖を早めに察知し
反映させる必要があることがわかりました。


多分今までも起こっていた事柄なのでしょうが
今までは米質以外の要因ではないかと考えつくことが多かったという事。
少しずつ安定した同じ条件を造れるようになってきたこと
各部署の担当者のスキルが上がってきて
異変に気がつきやすくなっていることなどがあるのかもしれません。


あと、産地の特徴が出ているんだという事も学びにつながっています
1度しか使ったことのない産地の米の場合
その土地の特徴なのか?それともその年の傾向でたまたまなのか?が
判別できないのですが、今年入荷した産地の特徴が、以前同じ産地で扱わせてもらった米の特徴と一致
産地による個性みたいなものあるのでしょうね。


北海道の産地指定と言っても
農協単位になるのでかなり広く
他の件にしたら1つの県や東京都くらいの広さの単位指定になります。
そりゃ同じ産地指定しても質の違う米が入ってきますよね。

米の生育には日照時間や気温が影響します。
谷になっていて陰になりやすい土地もあるでしょうし
海風の影響を受けやすい地域もあるでしょう。

そういった地理的要因も今後は記録しながら
米の発注を見極めていく必要があるのかもしれません。


とりあえずJAの地図をもらいました(笑)
どこからどの地域がどのJAなのか
JAの名前と地域の名前が違う場合もあるので・・・・


さて、明日はいよいよ五色彩雲のブランドページ公開日となっています。
まずはSNSにて公開しようかなと思っていますのでお楽しみに
もちろんこのブログでもリンクを貼りますので
焦らなくてもご覧いただけます。


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「例えるならば満員電車!」

大吟醸酒の麹も残るとこり1回の泊りとなりました。
泣いても笑っても今年の挑戦はこれで終わり
あとは醪と搾り、そして出品の作業しかありません。

昨日泊りで造った麹は今シーズンの中では一番の出来。
甘さも柔らかく、味も多すぎない。
1本目で得た情報を2本目に活かし修正をかけながら仕込みを行います。
更に良い出来になってくれればいいな。


洗米も今日から明後日の午前中までがピークとなります。
1つずつ丁寧に洗米を行うことで米糠を取り除き、雑味を抑え
米の溶けるスピードを吸水率でコントロールします。

昨日のブログ、途中で眠くなってきて書きたかったことへ到達できずに終わりました(笑)
本当は酵母の密度コントロールの話をしたかったんですよね。
いい例えが思いつかず、ダラダラ書いたらああなりました。すみません。

吟醸系の仕込みにはある程度セオリーがあり、
こういう形がいいですよ~というデータが出ています。
その一つが濃糖状態を造るという物です。

濃糖状態とは糖の濃度が濃い状態を作り出すという事ですが
無理やり濃糖状態にしたからと言っていい酒ができるわけではなく
やはりバランスを保ちながらその条件を造るのが重要だと思います。

濃糖状態は酵母にとっては窮屈な状態を造るイメージで
酵母の発酵が進み過ぎないように濃度でコントロールしていきます。

「例えるならば満員電車!」
今日は旨く例えられるかな?(笑)
酵母はサラリーマン。
電車は発酵の速度かな?

発酵をゆっくりにして電車の本数を減らせば、電車に乗る酵母の密度は上がっていきます。
朝の混雑をある程度作らなければいけないのが任務。
酵母数が多くなればある程度電車の本数が増えたところで満員電車が出来上がります。
理想は酵母人口が増え大都市になり、ある程度電車を増やしても満員電車ができる事。

ここで難しいのが、一番最初の設定で
どのくらい割合で人口が多いのか?
どのくらいの電車を用意すればいいのか?が読みにくいという事

私たちはその状況を上手く用意し
酵母と米の溶解のバランスをとっているのです。

この満員電車ってのは酵母の密度の話で
酵母はある程度までしか増えることができません。
醪の中で無限に増えるわけではなく
満員電車のように箱詰め状態にまではなってもそれがリミットという事です。

でもこの満員電車も本数を増やしていくことができます。
それが糖化による米の液化です。
米が固体のうちは酵母が生育できる空間は限られていますが
液化が進めばその分酵母の生きれるフィールドが増えることにつながります。

このバランスが酒造りでは重要で、
満員電車がパンパンで圧迫され続ければ短期の醪になったり
雑なお酒になることが多く
逆に酵母は少ないけど電車はいっぱい来るという状況になれば
味気ない未成熟なお酒になってしまいます。


もっと細かく言うと電車はどんな電車がいいのか?
何両編成かなど、細かな設定を造っていくのが
麹の破精回りや蒸米の吸水の量
仕込み温度や温度経過の取り方などなのかと思います。


きっとこのくらいかな?
この組み合わせで今年は行けるのではないか?と
ある程度予測をたてながら形を作っています。
今日の泊りの麹も少し変えました。
それぞれの場面で1本目の経験を活かし
より良い酒になるための改善がされています。

毎回本番なのが酒造り
ドキドキしながら仕込みをします。
できることを悔いのないように行うしか
私たちにできることは無いなといつも思います。

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結局書きたかったことは書けてない(笑)

私事ですが、今月第2子が生まれ、
先週末母子ともに元気に退院してまいりました。
そんなこんなでワタワタしてブログの更新ができない事もありそうです。
丁度大吟醸の仕込みシーズンという事もあり
優先順位的にブログが後回しになることをご了承ください。


さて、大吟醸の麹造りのための泊まり込みもラストスパート。
私もそうですが、麹担当クリストファーも
実は新米パパの年となり、パパ勢で大吟醸の麹造りをしています(笑)


1月中にやらなきゃいけない仕事以外の事務作業も
あら当た目途が付きちょっと肩の荷が下りました。
具体的には・・・来年度の米の発注(いつも思うが、この時期からか・・・)
2024年度の卒業生に向けた地域の企業紹介を兼ねた求人情報誌の原稿
セカンドブランドのHPに関するコトなどですね。
どれもすごい負担のあるものではないのですが
まとまった時間をとるのが難しかったので進みが遅く
心配性の私としては落ち着かない(笑)


なにか酒に関することをこのブログでは書きたいなと思っている
常にそうは思っているのですが、もう18年書き続けているこのブログでは
同じようなことを何度も書いているので
またかと書いている本人が思って書き進まない(笑)


なんか面白いこと書きたいなっていう欲が出てしまう。
日本酒造りの時、品温や水温といった温度での管理がメインです
もちろん米がどのくらい溶けているのかを知る比重を目安にしたりもします。
お酒造りでは①米を溶かして、②でんぷんを糖に変えて、③酵母にアルコールを造ってもらう
この3ステップなのですが、①は米の吸水などでコントロールし
②は麹の造り方や割合で、③は温度管理でというのが多くの教科書に書かれている事。
(厳密に言ってしまうともっと長くなるので省きます)

今日はこのうちの③、酵母の事なのですが
酵母を増やすときの操作として教科書に書かれているのは
加温して酵母が活発に活動しやすい温度にしてあげることか
酵母の住みやすい空間を造るための「追い水(おいみず)」という
水を加える方法があります。

追い水によってなぜ酵母が住みやすくなるかというと
醪の前半と後半で酵母にとって「住みにくい」要素が異なります。
前半は蒸米がまだ溶けていない状況。
更に酵母にとっては食料的な糖が沢山あるのですが
実はこの糖によって圧迫されて活性しにくい状況なのです。

例えるならば狭い個室に閉じ込められて
食べ物で満たされているのですが、その食べ物で身動き取れない状況。
っていうイメージの住みにくさ。
ここに水を加えてあげると酵母にとっては空間が広くなってゆとりができ
増殖することができるのです。

後半も少し似ていますが、アルコール濃度が高くなって
生きにくくなるのです。
例えるならば散々食べて飲んでを繰り返してきたがトイレがなく
部屋が一定以上の衛生環境を保てなくなり住みにくくなる現象。
これも水を加え部屋を広くしてあげることで回避してあげます。


人間は酵母にストレスがかかりにくいように
これらの状況を上手く回避し酒を造るわけです。
特にレギュラーのお酒はそうなのですが
大吟醸に関しては酵母のバランスが大事になります。

大吟醸酒は低温でゆっくりと発酵させます。
それは酵母にゆっくりと発酵させても十分な糖分を与えることが求められます
その一方で、補充できる食料を予測して、ゆっくり発酵できる分の酵母しか増殖させないように
コントロールするという双方のバランスをとる作業でもあるのです。
この絶妙なバランスをどうとるのか・・・・これが大吟醸の難しさのような気がします。


大体酒を造るときは温度管理に注目されがちです。
ただ多くの杜氏さんは「醪の面をみろ」と言います
醪の面って液面のことでその状貌から溶け具合を判断します。
温度の経過だけを完璧にしても、麹や蒸米の質はその年によって異なります
大事なのは状貌から温度をどうとるのかなのです。


書いているうちに眠くなってきました(笑)
本当に書きたかったのは体積の話なのに・・・

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些細なことだが大きな差

大吟醸等の吟醸系の仕込み期間に入りました。
吟醸系は純米酒や本醸造と異なり低温で長期醪になります。
特に前半の温度の取り方が重要です。

酒造りので温度管理というとどの程度かというと
1.0℃刻みではなく、0.1℃単位の温度管理が必要です。
日常生活でそこまで温度を気にすることは無いかと思います。

例えばお風呂のお湯の温度。
同じ温度のお湯を湯船に入れても外気温や浴槽の温度によって
湯船に入るときのお湯の温度は変化します。
そこまで考えて湯船にお湯を張る人はいないと思いますが
そういうのを考えるような仕事です。

例えば事前に品温が一定になるように浴槽を温めたり
浴槽のお湯が冷めないように保温性を高めるために蓋などを工夫したり
気温が高いときは窓を開けて調整をする。
今の福司はこういう、外気の影響や気候の影響を考慮しながら温度管理をします。
近年建っている新しい蔵は空調が整えられているので
風呂場の室温は一定、床暖もありお湯を張る環境は常に一定という
環境の中でのお湯を自動で張るのと同じくらいの差はあると思います。
そっちの方が楽だろうと思うでしょうが
「得られること」としては様々な環境で経験値を積むほうが良い。

実際に蔵での温度管理はというと
マットを一枚巻いて囲うか、
囲いをピタッとタンクに付けるか間を空けるか。
60wの電球をつけて加温するか
ビニールの蓋をかけるかかけないか。
こういった判断で醪の温度を操作します。
本当に些細な変化が温度に影響します。

麹造りでも、薄手の布を一枚かけるかかけないか
隙間を少しだけ空けるかどうか
はたから見たらそんなことで変わるの!?ってくらいの操作ですが
これが品質の良しあしを変える1つの要素なのは確かです。

だから悩みもとってもシンプル
この布を剥ぐか剝がないか。
マットを巻くかまかないか
その些細な決断が運命の分かれ道(笑)
そしてそれが経験値。
経験を重ねればその選択で迷いの幅が狭くなる。

この間迷ったのは電球のワット数
60Wか100wか(笑)
明るさが欲しいのではなく熱が欲しいのです
大きな熱の差ではないもののその差のお酒への影響は確実に違う。

そういう仕事です(笑)


1℃の違いや数分、数秒の差が
私たちには大きな壁なのです。


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大吟醸の麹造りが始まりました。

大吟醸酒の麹造りが始まり本日より泊まり込みの作業になります
ここから月末にかけ集中力を高めていきます。
去年と同じ原料で産地も一緒ですが
手触りなどは大分違いますね。
数年前の米にも近しい質で
ここ2年間くらいの米質とは異なると思いながら
麹造りをしていきたいと思います。


先日、製造部のメンバーから
「お酒に麹香が出るのはどんな経過の時か?」と質問されました
麹の造り方や醪経過などいろいろな要因があるかと思います。
ただ、うちのお酒にはあまり出にくいものなので
感覚としては・・・・どうしたら出るかな?と改めて考えることになりました。


1つは麹の造り方が原因ではないか?ということですが
日本は島国で太平洋と日本海に挟まれ
双方の気候は大きく異なります。

日本海側は仕込みを行う冬は雪が多く湿度も高め。
一方、太平洋側は雪が少なく乾燥している地域が多い印象。
福司がある釧路も太平洋側なので北海道なのに雪が少なく
乾燥している地域です。
(とはいえ夏は霧がかかり湿度高め!!!)

麹室も乾き気味なので乾く室の対応をして麹を作っていきます
大吟醸なんかの時は顕著で、麹造りの後半はしっかり乾燥さるため
麹室を乾燥させます。
そういった点、うちの室は後半の乾燥に関しては心配いらず
前半の保湿時に工夫することで麹造りをしています。

逆に湿度の高い麹室だと乾燥させるのに苦労するでしょう。
こういった蔵は麹の造り方として初歩の蒸米の状況や
麹菌の使い方から弊社とは大きく違います。


これが蔵ごとに味が違ったり、その蔵の色が出る原因ですが
お酒を造る環境が蔵の特徴というわけです。


弊社のお酒の特徴としてあまり重い酒質ではないのは
仕込み配合や造り方ももちろんありますが、このような
環境的要因が大きいと思っています。


なんだか吟醸の仕込みでそれどころではないのですが
いよいよ明日、しぼりたて生酒の発売日となりました。
暦の都合上、今年は例年よりも1週間遅い発売です。
お楽しみに!!

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